君の声。
「…でも、」
「陸が目覚めるまで傍にいたいだろうけど、お前まで倒れたら意味ないだろ。
今はしっかり休んで、それからまた来ればいい。」
「…わかった‥」
そう言って、病室を出ていく。
私は着替える為に一旦家に帰った。
「‥、雪ちゃん」
着替え終わって、しばらくするとおばさんが来た。
「‥おばさん‥」
「今ね、あの子の部屋に入ったの。‥そしたら、コレが机の上に置いてあって‥」
そう言って、おばさんは一枚の手紙を私に渡す。
「…陸ね、みんなに手紙を書いてたの‥最初からあの子、自殺、、、す…つも、りで………」
言いながら、嗚咽と涙をこぼすおばさん
「…雪ちゃん、あの子は、陸は、幸せだったのかしら‥私への手紙には、私を気遣う様な事だけで……」
幸せだった。
そんな風に、私はおばさんに言えなかった。
私には陸ちゃんが何一つわからなかった。
楢橋君に聞くまで。
なにも。