君の声。





「‥俺は、“君”の傍にはいられないんだ。」




“君”は、あの日傷つけてしまった雪だろう‥?



「じゃあ、“雪”のそばには……?」




わからない。




俺は、確かに“君”の傍にはいられない。




けど、“雪”の傍にはー‥?




「………っ、駄目だ。たとえ、“君”がいなくても、雪は雪なんだー‥っ!!」




そうだ。
甘い幻想は捨てろ。




“雪”に過去の、記憶の“君”がいなくとも




俺が雪を傷つけて事実は変わらない。




「……っだから‥」



「“雪”は、わたしのこと、しったよ。」



「…………っ!?」




なんで




なんでだ。




なんで…………っ!




「ならはしくんがね、おしえてくれたの。」



「…楢、橋……が?」



「“雪”はわたしをしるのをこばわなかった。わたしはうけいれられた。」



「“君”を……?」




なんで、受け入れたんだ。




“雪”、“君”は“雪”にとって、辛いものだろう。











< 130 / 157 >

この作品をシェア

pagetop