君の声。





「いまの雪は、あなたを待ってる。わたしも、雪も。」




そう言ってニコリと微笑んだ。




「…だから‥」



「『戻ってきて、陸ちゃん。』」




重なった、“君”と“雪”




一つになった雪は、俺を望んでいると言ってくれた。




今こうして、手を差し伸ばしてくれている。




俺にとって、柔らかく、暖かな光




「……リ………ク…」




ビクッ




振り返ず、だが背中に集まる神経は親父を感じていた。




「リ…ク、マ………テ…」




噴き出す汗。




来る。




“アイツ”が




手が、触れるー‥っ











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