君の声。
「ナゼ、ダ!
ナゼ!!リ、ク……オレヲヒトリ、ニ……シナイ、デクレ…!!」
右手をこちらに向け、俺に触れようと迫る。
後ずさっていく俺
いつの間にか、雪はいなくなっていた。
今、ここには俺と親父しかいない。
「親父っ!!
アンタは生に執着があった!!自ら生を捨てたのにだ!!」
俺もそうだ。
雪への想いに執着したまま、自ら命を絶とうとした。
でも、俺はやり直すと決めた。
まだ生を捨てていない。
自分の胸に、手を当てて鼓動を確かめる。
確かに自分の鼓動は動いていて、生を示している。
「‥俺はっ、まだ命を捨てないっ!!」
そう叫ぶ。
瞬間、親父が留まる。
「…ナゼダ……ナゼ…アァ、ソウダ、…シニタクナイ。シニタクナイ…」
ぶつぶつと、そう呟く親父
「シニタクナイッ…!!」
そう言って、飛びかかってきた。
「っ、やめー‥」
俺が言う前に、見えた。
親父の首に掛けられた刃