君の声。
‥ああだけど、雪はー‥
「雪、それ‥」
「え?」
指を指したのは雪の手首に着いているブレスレット
目線を落として、気付いた雪はブレスレットに触れた
「…うん。ありがとう」
「…いや」
ぎこちない言葉が続く。
「…陸ちゃん。」
少しだけ下がる、雪のトーンが、周りの音を遮断する。
「私、ね?
楢橋君に聞いた時、すごく驚いたの。」
「…あぁ……」
「それと同時に、ううんそれより速く、悲しい。って思った。」
不意に聞こえてきた、廊下を走る子供達の声があまりに違和感があって
「‥悲しいって思ったのは、あんな事があったからってわけじゃなくて……陸ちゃんが、1人で抱え込んでいたんだって思ったから……」
「……俺‥?」
「自分だけで抱え込んで、私を傷つけないようにしてくれた。‥あ、おばさんたちもだよね。」
はは、と笑う雪。
ちがう。
ちがうんだ、雪。
「‥違うよ、雪。」