君の声。





‥だけど




『陸ちゃん』




ずっと笑いかけてくれる君に、




傍にいてくれる君に、




想いを消すことはできなくて




今日まで、ずっと想ってきた。




だけどそれも、今度こそ終わりにしよう。




「…雪
俺はお前を想う資格なんてない。」



「そんなことっ…」



「だから!
だから……これで終わりにする。」




震える拳を握り締めて、



ただ真っ直ぐと、君の瞳を見る。




何年も積もってきたこの想いを、




言葉にして君に伝えるのは初めてで、




情けないぐらい怯えてる。




だけど逃げない。




あの闇の中で会った君に



今ここにいる君に




何年も想ってきた、




愛しい君に。




サヨナラを告げる為に




俺は言う。











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