君の声。
まったく好奇心もほどほどにしてくれ。
靴をきちんと履き直し、玄関を開ける前に深呼吸した。
自分を落ち着かせて、よし、と意気込む。
ーキィ‥
朝日に一瞬目を細める。
冷たい外気が体に染み込んで、とても寒い。
けど、そこには君がいた
「陸ちゃん」
鼻を赤くして、ピンクのマフラーをしてる雪
「…おはよ」
「うん!おはよう!!」
何気ない朝の挨拶だけれど、雪は嬉しそうに笑ってくれた
雪のそばに行って立ち止まる。
「じゃあ……行くか?」
吐く息が白い。
けど全然白くない俺の頬
白いのは頭の中だ。
雪も、こくんとうなずくだけだった。
歩き出して、いつもと違う距離感を感じた。
いつもは俺がただ足早に進み、雪が追いかける感じだった。
けど今は、いつもより歩幅を縮めて、ゆっくり進む。