君の声。
慣れないペース
いつもより歩くスピードは遅いはずなのに、動悸が早いのは
隣を歩く君がいたから
「…寒いか?」
話題が見つからなくてカッコ悪いくらいありきたりなセリフ
もうすこしなんかあっただろ俺
「だっ、大丈夫!
お腹にカイロ貼ってあるから!!」
かなり大きな声で言った雪
そのあまりの必死さに思わず笑ってしまった。
「…プッ‥カイロってしかも腹にって…ははっ」
笑われて気付いたのか顔を林檎みたいに真っ赤にさせた雪
「…そっ、そんな笑わなくても!
だってあったかいんだよ!?」
「悪いなんて言ってないよ‥ははっ…おかしぃ」
「おかしいって言った!!」
そういう意味のおかしいじゃないのに