君の声。
キーキーと怒る雪
「もうっ!いい加減にしないと怒るからね陸ちゃん!!」
「もう怒ってるだろ」
「こらぁっ!!」
ちっさい拳つくって俺の胸辺りを叩く雪
「あーごめんごめん」
ぱし、と雪の手を握って止めた。
「ほら、遅刻するから。もう終わり!」
「う~‥っ」
そのまま雪の手を握り返して、
学校への道を歩く。
また沈黙が降りたけど、さっきより心地よくて安心するんだ。
「…陸ちゃん」
「ん?」
不意に雪がこぼした言葉
空に白い息が舞って、消えていく。
「あの、ね?
この前の病院のこと…」
「うん」
あの時
想いを伝えあった病院
色々あったけど、伝える気持ちは一つだけで
まっすぐにお互いの想いを確かめた。