君の声。
†side:楢橋†
ーガラ
「失礼しまーす」
保健室のドアを開けても誰もいなかった。
俺の大事な大事な大事な……ゲフゲフ
親友の藤堂は頭を押さえている。
「藤堂、俺、先生呼んでくるわ」
「ヘーキ、少し休みゃ治まるし…」
「けど…」
「ヘーキだって。悪ィな。」
「んだよ水くせぇ」
藤堂は“この事”になると妙に他人行儀になる。
「つかもーお前戻れば」
「ヒドいっ!!進君傷付いたっ!!」
「ハッ、ざまぁ」
「ぅおいっっ!?」
突っ込み。
「フッ……」
そうやってお前は笑うけど、
俺の声、聞こえないんだよな……
お前が一番、
聞きたくて仕方ない、
雪ちゃんの声も……