君の声。

また






*********




四年前




『陸、お父さんの物、整理するから服を持ってきてちょうだい。』




そう言った母さんの目は赤かった。




まだ泣いてた?




なんで悲しむんだ?




あんなに殴られて、泣かされたんだ。




未だに、その腕の痣は消えていないじゃないか。




『わかった』




無表情で答えた俺。




親父が死んだ時、
泣けなかったし泣こうともしなかった。




別に悲しくはなかった。




恨んでいた。




正直、死んでくれとも思っていた。




そんな時だった。









< 28 / 157 >

この作品をシェア

pagetop