君の声。
また
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四年前
『陸、お父さんの物、整理するから服を持ってきてちょうだい。』
そう言った母さんの目は赤かった。
まだ泣いてた?
なんで悲しむんだ?
あんなに殴られて、泣かされたんだ。
未だに、その腕の痣は消えていないじゃないか。
『わかった』
無表情で答えた俺。
親父が死んだ時、
泣けなかったし泣こうともしなかった。
別に悲しくはなかった。
恨んでいた。
正直、死んでくれとも思っていた。
そんな時だった。