君の声。
旅行
「ただいま」
家の玄関を開ける。
あれから、楢橋とは別れて帰ってきた俺。
「ぉー?早ェじゃん。どした?」
姉キが旅行カバンをもって玄関を覗いた。
いい年した嫁入りまえの女がケツを掻くな。
「あー‥ちょっとな。何?彼氏ん家?」
またか。
靴を脱ぐ。
「ちげーよ、今度は旅行!!」
「あっそ、何泊?」
「1週間。母さんも連れてくから♪」
「長いな…って、ハァ!?」
意味わかんねえ!!
「実はさ~♪福引きで北海道旅行、当ててさ♪3名様だし、私と彼と母さんで」
「…俺は?」
「アンタは学校あるべよ。私も彼も卒論終わってるしー」
このアマ……
どうせすぐ別れんだろうが。
「3週間、どーしろっつんだよ!?飯は?」
「雪ちゃんが着てくれるわよ♪」
雪……?
「はぁぁあああ!?」