君の声。
訪問
ーピンポーン
!!
家のチャイムが鳴る。
とはいえ、俺は聞こえないから
二階の部屋の窓から雪が来たのを見ただけ
ーガチャ
「…はい」
ドアを開ければ、
下を向いたままの雪
やっぱりさっきの今で何か気まずい。
いつまでたっても中に入ろうとしない雪
「…入れば?」
「う、うん!ぉ、おおおじゃまざます!!」
ざます?
あれ、俺、口の動き読み間違えた?
雪の顔は赤い。
「外、寒かった?」
「へぁ!?べ、別に!?なんで?」
雪とか降ってるわけじゃない。
そんな寒くはないと思った。
「いや、顔赤かったから」
冷たい?
俺は無意識に雪の頬に軽く触れた。
「……ーっ」
ビクッ、と雪の身体が揺れる。
「あ、悪い。」
馬鹿。
関わるなっつったのは誰だよ‥!
「あ、あの、ゆ、夕飯つくるね!!」
そう言って、雪は玄関を上がってキッチンに行った。
俺が触れた時、
雪の顔がよけい赤かった気がした。
気のせいか。
ドアの隙間から風が入ってくる。
ドアを閉めようとドアノブに手をかけた。
「そんな、寒くないよな…?」
ドアを閉める。
気のせい、だよな……