君の声。
摩月さんがざわついた客をなだめる。
摩月さんは、いつも俺のサポートをしてくれる。
本当に、俺は迷惑をかけてばかりだー‥
「陸、休憩してこいよ!」
「はーい」
摩月さんに言われ、休憩室に入る。
「ぁー‥つかれた……」
椅子にもたれかかる。
目を瞑る。
1人になる時が、一番楽で、一番怖い。
いつ、あの声や映像が、来るかわからない。
あれは、俺自身を殺す。
俺は一生……実の父親に殺され続けるのか?
「ハハ……」
自嘲気味に、微かに笑う。
一生……俺は雪にこの言葉を言う事はない。
言う権利なんて、ありはしない。