君の声。
家
バイトが終わり、
雪と一緒に帰路につく。
摩月さんはまだ、
今日の売り上げを計算するといって店に残った。
やることやってたんだなあの人
俺も雪も、互いに無言で
俺達の間には、隙間が空いていた。
ーガチャ
「‥おじゃまします」
律儀に雪が言う。
雪はキッチン、俺はリビングのソファに寝そべった。
「今日はね、煮込みハンバーグ作るよ!!」
「ん」
雪は笑って言う。
そうやって、
雪はずっと笑ってて?
俺が、その笑顔を、ずっと見ていきたいなんて言わないから。
いつか、
いつか雪の隣に、別の誰かがいる。
俺にとって、雪が笑っててくれるのが、大切なんだ。
だから、
だから俺が、
雪のそばにいられなくなっても……
雪はそのまま、何も知らずに笑っててほしいー‥
そうやって、笑ってて?