君の声。
「なぁ、雪……」
俺は今、キッチンで料理をしている雪に声をかけた。
雪は料理に悪戦苦闘しているのか、適当に俺への返事をする。
「なぁに?……アッチ!!」
「大丈夫?」
「うん、なんとか!で、なぁに?」
指をくわえて涙目になっている雪
「あのさ……明日、デートしない?」
「ふぁ!?」
ーガシャアアン!!
持っていた包丁を落とした。
危ないな。
「な、なななな…!!?」
「駄目?」
「だだだ駄目なんかじゃ…!!」
「じゃあ決まり。明日よろしく。」
「ぁ、陸ちゃ……!?」
ーバタン
雪の言葉を遮って、部屋を出た。