君の声。
†side:陸†
雪と別れて、自分の家に戻って
自分の部屋に入って、勉強机の前に立つ。
引き出しから取り出した手紙を机の上に置いた。
あと、今日買った土産も。
それからすぐ階段を降りて、ずっと遠ざけていた和室に入った。
和室には仏壇がある。
仏壇の前に座り、
真正面に向き合った。
親父の写真ー‥
「‥アンタには、何も親らしい事をされた記憶はなかった‥。」
けど、
胸を熱くさせる思い出があったのは確かで、
だからこそ、
「アンタの息子の、最初で最後の親孝行だ。」
アンタと一緒に、
俺もそっちに行ってやるー‥
「母さんには、最大の親不孝だけどな。」
ハハ、と笑って
和室から出た。