君の声。





隠していた、睡眠薬の瓶とカミソリを持って風呂場に向かった。




耳に残る、かすかなあの声




ーキィ‥




浴槽には昨日の残り湯が残っていた。




瓶から出した何十粒の睡眠薬を、一気に飲み干して、




ぼぅっとする頭で、浴槽の横に座りこむ。




右手で握っていたカミソリを、左手首に添える。



さようなら




心の中で、
たった1つだけ呟いて、俺はこの世から別れを告げた。











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