COOL LOVER


うそ……



熱い彼の唇を受け止めながら、今だに信じられない。


あの、翼くんが



あの無口で、無表情で、女の子に興味ない って言われてる翼くんが


あたしに……



ちゃんと言葉で言ってくれた。





「……ん、翼く…」


「……」




甘く甘く触れる唇は

温かすぎて、涙が出た。





抱きすくめられるように、ギュッと腕が背中と後頭部に回る。



ここは学校で

今は花火大会で

もう辺りは真っ暗で……





そんなことも忘れたように、あたしは翼くんにしがみついた。



……離れたくないよ…




息が苦しくなってきた中、翼くんも同じ思いでいてほしいと願った。




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