COOL LOVER


眉間にシワを寄せてはいるけど

表情はどこか柔らかくて


心がじわりと温まる。




「……お前は、人のことを考えられるような完璧なやつじゃないだろ?俺を困らせるなら、今のうちだ。

今だけなら、ちょっとくらい無理な願いも聞いてやるから。」


「えっ……!?」




聞こえてきた言葉に、耳を疑う。


……翼くんがこんなことを言ってくれるなんて…

空から槍が降ってくるくらい有り得ないよ…!!!




「本当に!?」

「あぁ。」

「ホンっっトに!!?」

「…あぁ。」



グッと近寄って聞くと、前髪越しにおでこを撫でられる。


ゾクッとして、心臓が異常なくらい跳ね上がる。




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