COOL LOVER


「……ぁ、あたしなら…
こっちのゴールドかな…っ?」



出来るだけ笑って、示された二つのネックレスのうちゴールドに光る方を指差した。


今にも零れそうな涙。



バレないように視線を反らす。


声、震えてなかったかな?



「…おぃ?」


「ごめん…あたしさっきお母さんから帰ってこいって言われたんだぁ。だから先に行くね。

…また明日。」



明日、会ったら泣いちゃうかもね…


今はこれ以上隣にいれないよ。



笑う気力もなくて、急いでお店から出た。



「おい!!!」



一回だけ呼びとめられたけど、立ち止まらずに走った。




.
< 30 / 217 >

この作品をシェア

pagetop