COOL LOVER


ふと考えてみると、あたしは翼くんのことを何も知らない。




「あたし……翼くんのこと、全然知らない。」


「ん?」



キュッとブレザーの裾を掴む。


あたし……



「あたし、まだ彼女だよね?
彼女でいていいんだよね?」


「はぁ?」



あたしの言葉を聞いて、思い切り顔をしかめた。


え…?



「話し、聞いてた?」


「ぅん…?」


「…いつ、お前をフった。
俺がハルヒの告白を断ったりしたか?」



……してない。

してないけど…




「あのときの『いいよ』って、どうでもいいよ ってことだと思ってたから……

翼くんの言葉が聞きたいの…」




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