COOL LOVER


わずかに目尻に残る涙を拭きとり、ちょっと俯きがちで言ってみた。


さっきはああ言ったものの……翼くんは無口。

簡単に言ってくれるとは思えない。


“言ってみただけ”

そんなことを言えたらいいんだけど、あたしはそんなに都合いいことは言えない。



……半分は冗談だけど。



「……」

「……」

「……」

「……」

「……」



続きまくる沈黙。

気まずい、これは。



「つ、翼くん!!別に言わなくていいから…!!!
じ、冗談だしっ………」




慌ててフォローした瞬間……


ポフッと頭を撫でられた。




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