先生さまはキスで繋ぐ
「……なんで、私なの、よ……っ」


 なんで私なの。


こんなの、普通に考えたらおかしいじゃない……!


「決まってんだろ。俺が、お前のことを好きだから」


「――……はあぁ?」


 信じられなすぎて、息がもれた。


「で、俺は反対だから、あのバイトはやめとけ。もっとわりのいいバイト、紹介してやるよ」


 すっ、と先生が離れた。


「わ……わりのいい?」


「そう、あとで紹介してやる。――じゃあな、遥」


 先生は笑って、白衣をひるがえし部屋を出て行った。


「……い、意味が……わからない、んだけど……」


 誰に言うでもなくそう呟いて、私はクリームパンを取り落とした。



『俺が、お前のことを好きだから』


『俺を好きになれよ』









<先生は反対です・END>


(反対の理由って、それ…?)

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