先生さまはキスで繋ぐ
 先生は駐車場を出てエレベーターに乗り込む。


「は?」


「うちの掃除と食事作り」


「家政婦やれってこと?」


「まあ簡単に言えばな」


 エレベーターは7階で止まった。


「私が料理ヘタだったらどうすんの?」


「料理は得意だって、補習のとき自慢げに話してたろ」


「覚えてんの?」


 私は目を瞬いた。


「ああ。アホなのに料理できるのかと思って」


「関係ないし……」


 1番奥のドアノブに鍵をさしこんで、先生はドアを開けた。


「どうぞ。とりあえず、すわれよ」


「……お邪魔します」

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