先生さまはキスで繋ぐ
 中に入ると、先生が奥のドアを指差した。


「あっちがリビング」


「……失礼しまー……あ!」


 おそるおそるドアを開けた私は、思わず声をあげた。


「かぁわいいー! インコだーっ」


リビングの隅には、スタンドと鳥かごがあった。


「可愛いっ!」


「そうか、良かったな」


「先生、鳥好きなの?」


 振り返ると、先生は笑いながら頷いた。


「ああ」


「意外! 青いインコ可愛いー」


 首をちょこんと傾げる仕草が愛らしい。


「ねえねえ、名前は?」


 先生はお湯を沸かしながら答えた。

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