先生さまはキスで繋ぐ
「えー、先生のケータイ番号を登録すんの?」


「なんだその嫌そうな声は」


 ムッ、としたように先生が硬い口調になる。


「冗談だけど。じゃあ、メールアドレスだけね」


「なんで」


「電話したくないし」


「サラッと傷つくこと言うな!」


「冗談だよ」


「お前は冗談しか言えんのか」


 先生はため息をついた。


 その様子がおかしくて、私は笑う。


「……お前は、笑えるのになあ。なんで仏頂面しかしないかね」


 今度は私がムッとする番だった。


「余計なお世話。私の努力も知らないくせに仏頂面仏頂面言わないでくれる?」


「いや、1回しか言ってないけど」

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