先生さまはキスで繋ぐ
 しまった。余計なことを言った。


「マジで? お前、高校3年だろ? ファーストキスだったのか? マジかよ」


 嬉しそうなのか、それともバカにして笑っているのか、先生の言葉は笑い声がまじっていた。


「バカにしてんの?」


「いや、違う違う。本当に純情だったんだなと思って」


「純情って何? てか、あんたに比べたら誰でもそうなんじゃないの。先生、女性経験豊富そうだもん」


「そう見えた?」


「今日1日でそう思った」


「なかなか鋭いことで」


 先生は笑う。


 私は身をのりだした。


「マジで!? マジでタラシなの!?」


「タラシって言うな。別に、少なくはないかも。お前に比べたら」


「それじゃ基準がわかんないでしょ!」


「まあ、いろいろあるよ。俺、もうすぐ三十路だもん」

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