先生さまはキスで繋ぐ
「ごしゅ……」


 北口先生はヒクッと頬をひきつらせる。


「おい、彼方(かなた)。どうした?」


 先生と一緒に来ていた男性が、けげんな顔をして先生と私を見比べた。


「いや、ちょ……」


「おかえりなさいませー! 2名様のご帰宅でよろしいですか?」


 私は、混乱しているらしい先生を放置して、ニコニコと尋ねる。


「あ、うん」


「おタバコは吸われますか?」


「や、できれば禁煙で」


 友人らしい男性が私とお決まりの会話をしている間も、先生は頭をクラクラさせているらしい。


「かしこまりました! では、こちらへお進み頂いて、お好きなテーブルへどうぞ」


 先生とその友人を席に案内すると、私はダッシュで店の奥に駆け戻った。


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