先生さまはキスで繋ぐ
 私は肩をすくめた。


「桂木くんはあの店の常連で、私を見て笑顔が下手だなあって思ってたんでしょ?」


 頷く桂木くん。


「で、石川のクラスメイトだって偶然知って」


「ああ」


「……それでなんで、私と友達になるって流れになるのかな?」


 首をかしげる私に、桂木くんは無表情のままキョトンとした。


器用だ。


「同じだから、なんというか……仲間意識が芽生えて」


「……同じ?」


「笑顔が苦手なもの同士」


「……ああ!」


 無表情な桂木くんと、仏頂面の私。


たしかに似たもの同士……――


「いや、まってよ桂木くん。仲間ってほどじゃないような気がするんだけど」


 笑顔が苦手な仲間ってなんだよ。

< 60 / 75 >

この作品をシェア

pagetop