先生さまはキスで繋ぐ
「……友達……嫌、か?」


「う……」


 桂木くんの無表情な顔が、わずかに曇った。


「えっと、イヤってわけじゃなくて……」


「じゃなくて?」


「……私、石川と円華しか友達いないような子だけど、いいの?」


 桂木くんはハッキリと目を瞬いた。


不思議そうに首をかしげる。


「それ、何か関係ある?」


「……ううん。なんでもない」


 自分は何を言っていたのだろうと苦笑いをうかべ、私は首を振った。


「じゃあ、よろしくね」


 言うと、桂木くんは「ああ」と頷いた。


「あ、じゃあ携帯番号を――」


 久しぶりの友達だから、アドレス帳に1件増えるなと思った。

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