先生さまはキスで繋ぐ
「べつに……いーんじゃないの?」


「え、冷てえな。気に入らなかった?」


 先生は何となくショボンとしているように見えた。


「……なんで、切ったの? いきなり」


 先生は後部座席の私を振り返って、フッとわずかに笑った。


「お前が、切った方がいいって言ったから」


「……」


 不覚にも、キュンとした。


「……ばかじゃないの。私が言えば何でもいいの? ボウズにしろって言ったらボウズにでもするつもり?」


「あー、さすがにそれはしねえわ」


「しないの!?」


 胸のトキメキを返せこのやろー。


「だってお前、ボウズにした俺見ても惚れないだろ」


「……うっわ、サイアク。うぬぼれもいいところ。じゃあ、その髪型なら惚れるって思ってるわけ?」


「まあな」

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