先生さまはキスで繋ぐ
 急に恥ずかしくなって大声を出した私に、先生は意外にもアッサリと頷いた。


「……なに。いきなり、納得したの?」


「いやいや、俺も、お前くらいの頃はまだそんな感じだったぞ」


「……18なのに?」


「お前、自分で自分の首絞めてるからな」


 先生は言って、


「まあ、高校を卒業したらいろんなことがあるしな」


「……ふうん? あ、もしかして、年上の女性なんて好きになって、こっぴどくフラれてタラシに走ったとかじゃないでしょうね?」


 思いつきでベタなことを言ってみたのだけれど、


「おお、お前鋭いな」


 先生はカラカラ笑いながらこれまたアッサリ頷いた。


「ちょ、うそ、マジで!?」


「マジでー。こっぴどくフラれたっていうか……いや、まあ、その女に彼氏が何人もいただけであって、フラれてはないけど」


 先生は自嘲気味にわらった。


「純粋だった俺の心はそれだけで十分に傷ついたけどなー。まあ、あとはご想像通り」

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