桜下心中
「圭太、圭太……」

 怠い体を起こし、橋の下から出た。駅のほうへ行ってみようと思ったので、大通りへ出る事にする。

 体なんかどうなったっていい。圭太を見付けないと。


 自首するなら、交番にでも行けばいい。わたしを置いていく事もない。

 眠っている間に居なくなったのは、きっと逃げたのではないか。


 一緒に、居るって言ったのに。

 あの桜の下で、誓うって約束したのに。


 

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