桜下心中
 駅員の話を信じるならば、いまの電車に乗らなかった可能性が高い。

 そこまで考え、ふと思い出す。わたし達は、一銭も持っていないはず。

 だから電車になど乗れないのだ。

 すると……自宅。

 まさか隠れ家に行ってる?


 いや……まず、自宅のほうへ行ってみようか。

 まだ朝早い時間ではあったけれども、通りにはだんだんと人も出てきていた。


 体が怠い。足も痛い。


 圭太、一体何処へ行ってしまったのか。



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