桜下心中
 溜息をついた時。

 人が数人、走ってくのが見えた。皆、同じ方へ走っていく。

 あっちだ、駐在さん呼んでこい、そんな単語が聞こえてきた。

 心臓が、跳ね上がる。


 もしや、糸田が見付かり、騒ぎになっているのでは。
 位置的にこちらではないのだが。

 わたしは、ざわついてる方へ行ってみることにした。

 また、走ってくる人が居る。その中の男性を呼び止めた。


「なにか、なにかあったのですか?」



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