桜下心中
 何処をどう通ってきたか、思い出せない。


 でも、わたしはあの桜の木の下に居る。


 約束をした。ここで圭太に会うと。



 力尽きて、もう足に力が入らない。


 苦しくて、涙も出てくる。息が、苦しい。


 背中に当たる、木肌はゴツゴツとして、堅い。


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