桜下心中
 圭太の両親が、こんな病気の娘との結婚を許すはずもなく、圭太はそして、まだ大学生で未成年だ。


 若さというのは驚異。

 佐恵は戸惑いながら圭太を受け入れて、そして奇跡が起きないかと考える。

 体が良くなり、圭太の年齢がわたしに追いつき、まわりに祝福され一緒になること。


「きみと」

 圭太は、わたしの髪のほつれを直す。

「この桜の木の下で誓うんだ」

 もうすぐ、桜が咲く。

 桜の木の下で約束をすることで、次に会うまで生きていようと思う。目標ができるから。


 生きる意味を教えてくれ、支えになり、わたしの名前を大事に呼んでくれる。圭太に感謝をしている。





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