空の彼方へ2
「な?!」


「ラナ族の伝統でね、自分にとって素敵な相手にキスをするってのがあるの」


「そ…そうなんだ、じゃあ、頑張れよ!」


リリアは後ろ向きで手を振りながら去っていく。


すると体が締め付けられるような感覚になる。


「ぅあ!!」


リリアの視界が歪んだ。








「ん?」


リリアはいつのまにか城のベッドに戻っていた。


「お前…いつまで寝てる気だ?もう昼だぞ?」


そこにいたのは大人のグレイス。


「あれ?私…いつのまにここに帰ってきてる」


リリアは辺りを見回す。


「お前どこも行ってねえだろ…」


グレイスがあきれ顔でリリアを見る。


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