空の彼方へ2
「お、お前は行かないのか?」


「腹が減ってないからな」


「セラフィー…何言ってたんだ?」


リリアがグレイスに聞く。

「いや…なんでもない」


「なんだよ〜教えてくれたっていいじゃん」


隣でぶーぶー言うリリアを見ながらグレイスは思う。


確かにリリアはいい奴だ…。でも俺は悪魔の子だ、リリアを殺しかけたこともあった…そんなことよりも俺は…あいつの……っ



グレイスは苦しくなった。


「なあグレイス」


「ん?」


「みんな寝た頃になったら外のあの公園に来て」


リリアは窓から見えるベンチだけの公園を指さす。


「あ、ああ」


「じゃ、よろしく」


リリアはそう言うとグレイスよりも先に歩いて行った。


―その時に…俺も真実を言った方がいいのだろうか…―


グレイスは迷う。

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