空の彼方へ2


「…やっぱり…っあいつは…っどこにいても…っ」


リリアはしんしんと降る雪の中で泣き出す。


「…どうして……っ」


「誰でもそのはずよ」


「?!」


タミーがリリアの後ろで言う。


「私も初めてグレイスの右腕を見た時は驚いた…、でも…あの状況を見て平然としてる人はひとりもいないわ…それを見てからどうするかはその人によって違う」


「……だから…なんだってんだよ…っ」


「テールもアイリも…ほかの人達と比べてはグレイスと一緒に旅をしているし…まだいい方だとは私は思う…」


「………っ」


「あのふたりはまだ現実を受け入れられなかったのだと思うわ、リリア…」



「…でも…っあいつは…っ悲しみをひとりで抱えて…」


「大丈夫よ…いつか…あの方も…救われる」

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