空の彼方へ2
ドロシーがいた城でグレイスはひとり自分の右腕を見ていた。
「…暴走する時…か」
グレイスは右腕をしまうと天井を見る。
「リリア・メルデットよ…お前がいなければ俺はこんなに苦しむことはないのに…だからあの瓦礫の下敷きにしたのに…一命を取り戻しやがって…!」
グレイスは壁を思い切り叩く。
「…はぁ…はぁ…苦しい…リリア…なぜだ…悪魔になったと同時にあいつのことを考えると…苦しい…!」
グレイスは自分の胸を抑えつけ、呼吸を落ちつかせる。