空の彼方へ2
―さよなら…リリア…―


グレイスは自分の刃(やいば)で自分の心臓を刺す。


「いやぁぁぁぁ!!グレイスぅぅぅ!!」


それと同時に光が出て、リリアは気を失う。







グレイス……







「ん…」


リリアはまた城の外で目を覚ます。


「…リリア、大丈夫?」


タミーがリリアを起こす。

「城が…ない?」


「崩れたみたいね」


「…グレイス…グレイスは?!」


「リリア?」


リリアは立ち上がり、彼を探す。


「あ、リリアさん…」


リリアを呼んだアースの足元には、仰向けに倒れているグレイスの姿が…。


「……グレイス!いやぁ!グレイス!!」


リリアは泣きながら彼の体を揺する。


しかし、彼が目覚めることはなかった。


「………っ」


リリアは彼の右腕を見る。

もう刃(やいば)でもあの黒い腕でもなく、綺麗な人間の腕だった。


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