空の彼方へ2
「あ…ああ、ありがと」


リリアがそう言うと、後ろからものすごい風が吹いてきた。


「うわっ」


リリアはバランスを崩し、グレイスにしがみつく。



「大丈夫か」


グレイスはリリアを離す。

「ありがと…強い風だったな」


リリアはグレイスを見ながら少し笑ってみせる。


「半日つぶしちゃったな、仕方ないけど」


リリアは呟くように空を見て言う。


「リリア、お前家族とかいるか?」


「は?なんで?」


突然のグレイスの言葉にリリアは思わずそう言ってしまった。
< 44 / 219 >

この作品をシェア

pagetop