空の彼方へ2
「はぁ?」


突然の言葉にリリアは驚く。


「俺…昔アモールという奴にマイラという特種な能力(ちから)を奪われて…」


「マイラ?」


テールが首を傾げながらセラフィーに聞くと


「俺は生まれつき、マイラという疫病を治す能力(ちから)を持っていて…」


「疫病?」


「ああ…それで俺はそれで村の人達を助けていたのだけれども」


「…アモールのせいで…か」

グレイスが冷静に言う。


「俺は…マイラを奪われて…それを取り返すために旅に出たいんだ、頼む、俺を連れて行ってくれ!」


セラフィーが頭を下げる。

「…仕方ないねぇ、特別だよ」


リリアはセラフィーの前に立つ。


「ありがとう…俺はセラフィー・ラビスティっていう、よろしく」


リリアはグレイスを見ると彼はやれやれという感じでリリアを見ていた。






リリア達は資料を見ることに取り掛かった。


しかしグレイスはいつもと違った。


―おかしい…腕が酷く痛む…―


「グレイス?大丈夫?息切れしてるけど」


アイリがグレイスの近くに立つ。


「大丈夫だ…」


そう言うと彼は人気のない場所まで行き、袖を捲る。

「?!」


そこにはあの刻まれた部分が黒く焼け焦げたようになっていた。
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