空の彼方へ2
「……っ」


―なんなんだこれは…?!―


「グレイス何してん?」


リリアがグレイスの所までやって来ると、グレイスは素早く右腕を隠す。


「…なんでもない、それより、資料を探そう」


グレイスは立ち上がり、資料を探し始めた。


でも彼が探したのはアモールの資料ではない。


―あった…―


"悪魔と呪いについて"


グレイスは隠れてそれを読む。



悪魔、それは魔界で暮らしていると言われる生き物。

たまに人間に化け、人間と一緒に暮らす時もある。



―俺の母親と同じだ…―


グレイスは資料をじっくりと見る。



悪魔は人間と自分の間にできた子どもの右腕に文字を刻む。


刻まれた子どもは次第に右腕から身体中壊れていき、人間の心を失い、暴走してしまう。


そして最後は死に至る。



―だからか…俺は少しずつ人間の心を失っているのだな…表情も出なくなって…―

グレイスはうつむいた。


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