空の彼方へ2
リリアが城に戻ると、リァリィが迎えてくれた。


「リリア、こんな時間まで何してたの?夜中じゃないの…」


「考え事してた…あいつのこと…」


「あの寝ている方の?」


「ああ…お母様なら言っても…大丈夫だよね」


「どうしたの?」


リァリィは疲れきったリリアを支える感じで別の部屋に連れて行く。




「あのな……っ」


リリアはグレイスの右腕のことをリァリィに話した。




「あいつは…いつか人間の心を失って暴走するかもしれないんだ…悪魔に体を乗っ取られてしまうんだよ…右腕に…あいつとは違う誰かが生きてる…あいつはただ生きてるだけで自分の中の悪魔を育ててるんだよ」


「……辛いわね」


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