モテ男と勤勉オンナの【秘】ラブ・ゲーム
『うるさいって言ってるの! あたし、別に北城君とは何でもないし! 付き合ってない。好きじゃない! あたしは北城君にとって、仲間内の賭け事の対象でしかないの。だから付き合っている振りをしているだけ。桜の言う『奇怪な趣味』のせいで脅されて、北城君が賭けに勝つように演技しているの。それだけよ』


お姉ちゃんの朝の言葉が、頭から離れない


お姉ちゃんを脅すなんて…許せない


演技させてるなんて…私、絶対文句を言わないとこの心のもやもやが晴れないわ


お姉ちゃんは純粋なの


お姉ちゃんは真面目なの


お姉ちゃんは……私の大切なお姉ちゃんなの


そのお姉ちゃんを賭けの対象にした挙句に、脅しているなんて有り得ない


私が文句を言ってやる




…そう思って、お姉ちゃんの学校に乗り込んでやったのに


おかしい


文句を言いたい北城 葵という男がおらず


しかもその友人のハルとかいう男とお茶をしているなんて…


ちょっとお洒落な紅茶専門店で、ハルって人が優雅にお茶の香りを楽しんでいる


とてもとても…怒鳴れるような状況じゃなくなってしまっていて


私の怒りの矛先が途絶え、心の中でドロドロとしていた
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