モテ男と勤勉オンナの【秘】ラブ・ゲーム
「父がね。最低な人だった。ずっと母が苦労してて…だから男は嫌いなの。ママは、何もできない人だったから…父に捨てられたとき、子供2人を抱えて生きていくのに大変そうだった。最終学歴が高校の母じゃ、まともな就職もできないし。給料も安くて…苦しい家計だった。だから、あたしは一人でも生きていける力を手に入れたいの」


『そっか。それで「一流」の大学なんだ。南センパイ、格好良い』


「おだてても何も出ないわよ」


『何も欲しくないよ。俺、何でも手に入るし』


「あっそ」


『何でも望べば、手に入るから。世の中がツマラナイんだ。最低だってわかってるけど、壊すが楽しいんだ。他人の恋愛も。夢も、想いも…壊すのが面白い。ショックな顔を見て、ワクワクする』


「明日からクラッシャー北城って呼んであげる」


『あはは。それ、いいねえ』


一瞬の間があいた


『ねえ、南センパイ…俺を止めてよ』


「甘えないで」


『甘えたいよ…おやすみなさい、センパイ』


ピっと電子音を鳴らして、あたしは電話を切った


酔っ払っているだけよ


酔っ払いは性質が悪すぎだわ

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