モテ男と勤勉オンナの【秘】ラブ・ゲーム
俺はくすくすと笑う


女に守られたのって初めてだっつうの


「センパイの膝枕で目覚めたかったなあ。屋上でさ、センパイが膝枕してて、俺の頬を冷やしててくれるの。んで、目が覚めた俺に、すんげえ安心した笑みを見せて…」


「馬鹿じゃないの。そんなことしないわよ。足がしびれて苛々するでしょ」


現実派だなあ、相変わらず


俺は「あはは」と笑いながら、センパイのほうに身体を向けた


「膝枕は男のロマンだよ」


「他の女子にやってもらいなさい。志願者はいっぱいいるでしょ」


「んー、センパイがいいなあ」


「馬鹿言ってないで。起きたなら帰りなよ。バイトなんでしょ」


「例のDVD、買いに来てくれる? レジで待ってるから」


「行かないって言ったでしょ」


「来て」


「……行かない」


「来てくれないと、脅しちゃう」


「わかったわよ。塾が終わってからね」


「ん。じゃ、待ってる」


にこっと笑う俺の額をぺしっと軽く叩いたセンパイが、真っ赤な顔をしてたのを俺は見逃さなかった

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